欲しくて、欲しくて仕方のなかったソニーの犬型ロボットaiboだったけど。
値段を見たらあまりにも高くて、とてもアタシには無理そうだってことで、とりあえずは一端あきらめた。

本体価格だけならまだしも。
維持費がかかるしなぁ。
そんなことをうだうだ考えながら(←結局あきらめきれてない?(笑))いつもの動物病院へ行った。家のネコ様が尿路結石になりやすい体質なもんで、定期的に病院に通っているのだ。
本物の犬は病気になる
午前の診療が終わるギリギリの時間だったので、待合室にいたのは70代くらいのおばあちゃんと40代くらいの女性と、そしてアタシの3人だけだった。
アタシは図書館の貸し出し期限が迫っている西野亮廣さんの「革命のファンファーレ」を期限内になんとか読み切らなくちゃの使命感に燃えて、必死に目で文字を追っていた。
でも、たぶん待たされた時間が長すぎたんだろうと思う。
文字を追うのにも次第に疲れてきて、うっすらと眠気がさして来た。
現実と夢のはざまを意識が行ったり来たりしていた時、おはあちゃんと女性の会話が耳に入って来た。
よくある病院トークで、話の内容はペットの病気に関することだったのだけれども、その内容があまりにも深刻で、アタシの耳は次の瞬間にはダンボになっていた。
ここでその時の会話を詳しく再現すると気分が滅入ってしまいそうなので、ざっくりまとめてみると。
- お互いに高齢の犬を飼っている。
- 持病がいろいろあって、今までに長期の入院や手術もした。
- 最近では毎日のように病院に来ては点滴をしている。家では注射もうっている。
- 精神的にも肉体的にも経済的にもかなり辛くて、もうペットは飼いたくないと思っている。
そんなような話を延々としていた。
そうして、ふたりが最終的に口にしたのが
この間発売になった犬の形をしたロボット、次はあれでいいかなと思っている。
の言葉だった。
aiboの名前こそ出なかったものの、aiboで間違いはないだろう。
「どのくらい犬に似ているのかしら」
とおばあちゃん。
「案外とそっくりらしいですよ」
と女性。
「病気しないしね」
「えぇ、もう犬(の介護)は精神的に限界です」
「歳を取って来ると散歩も大変。うちの子どもたちにも次はロボットだねって言われてるのよ」
アタシの中でaiboはaiboというまったく新しいジャンルのものだったから、犬そのものの代わりとして見ることはあまりなかったのだけれども、言われてみれば、あの姿形。犬の代わりとしてaiboの購入を考える人も多いのかもしれない。
まあ、個人的には「犬の代わり」と思ってしまうと不満な点がいろいろと出て来てしまうんじゃないかと思うが、それでも病気や散歩、そして近隣住民とのトラブルの心配がないaiboは、ベストではないけどベターな選択と言えそうだ。
ロボットならではの手軽さ
ロボットだと命の重さが子どもたちに伝わらない……とかって、そういう話になるとややこしくなっちゃうのだけど。
それなりの人生経験を積んできたアタシとしては、精神的負担は減らせるものなら少しでも減らしたい。
最近は、動物医療もずいぶんと発達して来て、以前だったら治せなかったような病気も治るようになって来た。ありがたいことだ。
けれどその反面、完治の難しい病気と長く向き合う覚悟が必要になることも増えたように感じる。
「ロボットは病気にならない」
って言うと、たいてい
「でも、ロボットだって壊れるよ」
という人がいる。
でも、高齢のペットを介護するときの切なさと、ある日突然動かなくなったロボットに対する喪失感とでは、気持ちの持ちようがまったく違うよね。
しかもアタシの認識が正しければ、aiboは覚えたことをクラウドにすべて記憶しているはず。
もしもaibo本体が壊れたとしても、新しい本体を手に入れて、そこにクラウドからデータを流し込んでやれば、以前とほとんど同じaiboが再現されるはずだ。
ある意味、不老不死!
aiboは高くない!?
高いか高くないかで言えば、絶対に高い(笑)
でも
- aibo本体価格がペットショップのワンちゃんの価格
- クラウド代がワンちゃんのエサ代
- 長期保証費がワンちゃんの病院代
そう考えると、あんなに高いと思っていたaiboがちょっとだけ安く思えて来る。
aiboの進化に期待!
aiboの最終的な進化形がドラえもんだとしたら、今はまだコミュニケーションロボットの最初の一歩を踏み出しくらいのところだろう。
aiboが本物のペットの代わりになるのは、まだ少し先の話だ。
だから、aiboの価格と本物のペットの価格を比べて、だからaiboは高くないよね、って言うのに無理があるのはアタシだってわかってる。
(~_~;)
でも医療の進化とペットの長寿化で、肉体的、精神的そして経済的にも辛い思いをする人は今後ますます増えるだろう。
辛い思いをしたくなくて「ひょっとしてロボットなら」と考える人もたくさん出て来るはずだ。
そうして進化を続けるペット型ロボット。
ペットの進化と人々の思いが重なったある時点で
「ペットを飼おうと思うんだけど、犬と猫とそれからロボットのどれにしようか迷ってるんだ」
って会話が普通に聞こえる時代がやって来て欲しいと心から思う。
AIが人の仕事を奪うとか、いつかは人間も支配しちゃうとか、技術の進化にはいろんな不安と期待があるけれど、少なくともコミュニケーションロボットの登場を想像する時だけは、ワクワクがとまらない自分がここにいる。
(^^)
だからソニーさん、今度こそaiboを長く大切に育て続けて下さいな。
期待してます。
今はまだ売り上げに貢献できないけど(笑)
⇒狂おしいほどかわいい「aibo(アイボ)」がきゅんきゅん鳴く動画 – YouTube