転勤族のアタシは、引っ越しのたびに繰り返される本の梱包作業にうんざりしていた。
本は重たいから、箱に入れるのも大変だし、取り出して本棚にもう一度並べ直すのも重労働だ。しかも狭い社宅に大型の本棚はあきらかに場所ふさぎだった。
「何とかならないかなぁ」
と思っていた時に、ソニーが電子書籍に参入した。2004年のことだ。
電子書籍なら置き場所がいらない。
そう思ったアタシは、すぐさまソニーの電子書籍端末LIBRIeを購入した。
残念ながらソニーはその後撤退してしまったけれど、2012年に今度はAmazon.co.jpがKindleを引っさげて閉鎖的といわれる日本の出版市場に殴り込みをかけて来た。
もちろんKindle Paperwhiteを即行で購入した。
そんなこんなで気づいてみれば、電子書籍との付き合いも10年以上になるのだけれども、長くなればなるほど、電子書籍に対する考え方が変わって来た。
置き場所を取らないとか、値段が安いとか、数千冊の本を持ち運べるとか、そんなことはもうどうでもよくなっていて
とにかく一番大事なのは
文字を大きくできる
ってことだと思うようになったのだ。
40代後半以上の人ならたぶん共感してくれるんじゃないかと思う。
老眼にやさしいKindle
10年以上前、LIBRIeを使っていた頃にくらべれば電子書籍はあきらかに世の中に浸透して来た。だけど、本を読む人なら誰でも持つほどの端末になったかといえば決してそんなことはなくて、まだまだマイナーな存在だ。
電子書籍端末のセールス文句で必ずと言っていいほど見かけるのが
- 本の置き場所にこまらない
- 紙の本より安い
- 端末に入れた大量の本を持ち運びできる
といったあたり。
ても、もうこれどうでもいいじゃん、って思うのだ。
読み終えた本は古本業者に宅配便で送ればすぐに処分できるし、紙の本より安いったって良くて数百円程度。製本もされていないただの電子データだと考えるとむしろ割高なんじゃないかと思うほど。
たまにあるバーゲンセールでまとめ買いした本は「積ん読」のオンパレード。読みたい時にすぐ読むからこそ読書は楽しいのだ思い知らされる。
大量の本の持ち運びといったって、普通の生活ではそんなに本は必要ないし、持ち運べれば便利だけれども、できなきゃできないで諦められるレベル。
本よりもさらにすぐに増えちゃうマンガに悩んでいる人にとっては、Kindleは確かに便利かもしれないけれど、電子書籍は紙の手触りもないし、気が向いた時にパラパラとページをめくって名言・名シーンを探すなんてのも案外と面倒くさい(ずいぶん改善されてるけど)。
こんな風に考えていくと、どれもこれも電子書籍を利用する決め手にいまひとつ欠けている。
できれば確かに便利だけど、できなくてもどうにかなる。
そこらあたりのレベルで、何やらガサゴソと動いているような印象なのだ。
そんなアタシにとってKindleの何が魅力かといえば
文字の大きさ自由自在。行間だって思いのまま。
我ら「老眼族」にとって、文字の大きさは死活問題と言ってもいいくらいの大問題。なくてもどうにかなるなんて甘っちょろいレベルではなくて、本当に心の底から
大きな文字、ウェルカム!!
なのだ。
Kindelと老眼
「老眼 + Kindle」で検索したら
▼ こんなページが出て来た。
⇒Amazon.co.jp:シニアにも最適な電子書籍リーダー
実はこれ、ちゃんとしたAmazon.co.jpのページ。
Amazonでは大々的にKindleをシニア向け端末とはうたっていないのだけれども、ひそかにこんなページも用意していたのだ。
まあ、Kindleにシニア向け端末ってイメージが付きすぎてしまうと、それはそれで若者離れを引き起こしてしまいそうだから、ひっそりとやりたい気持ちもわからないではない。
kindleの文字設定
Kindleは設定で
- 文字の大きさ
- 書体
- 行間
- 余白
を自分の好みに変えることができる。
▼ こんな感じ。
2012年に購入したKindle Paperwhiteを今もそのまま使っているので、最新版ではあるいは表示が少し違うかもしれないが、まあ、だいだいこんなものだろう(笑)
文字が大きくなるのは本当に便利なのだが、実は縁の下の力持ち的に助かっているのが
行間を広げられること。
通常よりも行間を少し広げるだけで、文字がぐっと見やすくなり、目の疲れが全然違うのだ。
そもそもがEinkというほとんど紙のような見た目の表示方式を採用しているので、長いこと画面を見続けても、スマホやPCのようなピカッとまぶしい液晶ディスプレイのような目の負担がない。
Amazon.co.jpでは
液晶ディスプレイは通常強い光を出しているため、長時間の使用で目が疲れやすくなります。Kindleでは、液晶ディスプレイのように目に向けて光を当てるのではなく、ディスプレイの表面を照らす方式を採用しています。これにより、目が疲れにくく、長時間でも快適に読書を楽しめます。
と説明している。
まあ、そもそもが老眼なんで、長時間の読書はやっぱり疲れるのだけれども、それでもスマホなんかよりはダンゼン目が楽だし、紙の本よりも読書がはかどる……というか、もはや紙での読書は拷問レベルなので、小説のたぐいはKindleでしか読んでいない。
Kindleに防水機能が!?
以前は、図書館で借りた本などもずいんぶんと読んでいたのだけれども、近頃ではほとんど利用しなくなってしまった。
紙の本、辛すぎるから。
なので、老眼が進むのと比例するかのようにして、近頃ではKindleへの依存が加速している。トイレに持ち込むのはもちろんのこと、最近ではお風呂にも持って入りたいと思うようになって来た。
ところが、Kindleには防水機能がまったくない。
ジップロックに入れて持ち込もうかとも考えたが、それでなくたってかなり使い込んだ古い端末なので、一瞬にして壊れてしまうそな気がしたのでやめた。
幸いスマホが防水だったので、Kindleのアプリをスマホにダウンロードして、お風呂でスマホ読書をしてみたが、液晶ディスプレイでの読書は目の負担が大きすぎてすぐにやめた。
ネットやメールをパラパラと見ている時にはそれほど感じなかったのだけれども、どうやら読書となると、自分が思っている以上に画面を凝視しているらしい。
目が疲れる、疲れる言いながら、お風呂に入ってまで本を読むこともないか。
いったんはそう思って諦めたのだけれども。
誰か私の願いをAmazonに届けてくれたんですかっ?
ってタイミングでAmazonから防水タイプのKindleの発表があった。
それがこれ。
じゃ~ん!!
Kindle Oasis (Newモデル) 8GB、Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル、電子書籍リーダー
すでに発売されていたKindleの最上位モデル「Kindle Oasis」に防水機能がついたのだ。
だ、だけど、アタシは思ったのだ。
オアシス……なのか。
Σ(T▽T;)
だって、この子は高いよ、高すぎる。
2017年10月16日現在で、価格は3万3980円。プライム会員向けクーポンコード利用で4000円引きになるので、実質2万9980円。
うーむ、うーむ、うーむ。
せめてもうひとつ下のKindle Voyageあたりにして欲しかった。
それでも、もう少し待てばじわじわと下位モデルにも防水機能が広がってきそうな気がするので、今手元にあるKindleが壊れるまでは様子見かな、と思ってる。
それにしても、老眼で一度は読書を諦めかけた私をもってして、お風呂の中でまで読みたいと思わせるKindleの底力。
一度使ったら、手放せなくなること間違いなしです。
以上、アタシの超個人的Kindle愛のご紹介でした(笑)
ではでは。