(まだソニー製だった頃の)VAIOの一体型デスクトップを使っている。買い換えた当初から、キーボードが使いづらいな、という感覚はあった。
スタイリッシュの名のもとにやたらめったら薄くって、キーストロークがあまりにも浅いのだ。
それでもメールを書いたり、ネットを閲覧したりする程度なら、それほど問題はなかった。むしろ薄くてコンパクトな分「置き場所を取らなくていいかも♪」くらいに考えていた。
ところが。
いろいろあって、2017年の始めくらいから、文字入力をする機会がぐっと増えてきた。
勢い良く文字を打っていると、キーストロークの浅さがどうしても気になって来る。
ストロークが浅いので、すぐに底打ちしてしまうのだが、そのたびに指先に反発を感じる。心地良い反発ならいいのだが、絶対指に負荷がかかってるよね、と思うような不快さがあった。
特にエンターキーを押すことの多い右手の小指が一番影響を受けるようで、次第に右腕に痛みを感じるようになって来た。
ここに来てようやく薄いキーボードは、高速かつ多量の文字入力には向いていないことに気づく。
気づくのに半年かかった。
(~_~;)
親指シフトに向いているキーボード
疲れにくくて、打ちやすいキーボードを探してみたら、以下の3シリーズが特に評価が高かった。
・FILCOのMajestouch
・PFUのHappy Hacking Keyboard
・東プレのRealforce
キーボードのサイズ(テンキーの有無)、キー荷重、カナ刻印の有無など各シリーズともに様々な種類が用意されている。
けれど、親指入力をしているアタシには、これ以外にもどうしてもはずすことのできない超重要なポイントがあった。
日本語配列であること。スペースキーが小さいこと。
このふたつだ。
※ Windows向けキーボードを前提にしています。
日本語配列
親指シフトで入力する場合、キーボード最下段の「無変換」「変換」キーが左右の親指キーのかわりになる。
当然のことながら「無変換」「変換」キーのない英語配列のキーボードは使うことができない。
▼ 英語配列のキーボード
キー配列変更ソフトのようなものを使えば、あるいは行けるかな?
とも考えたが、そもそもスペースキーの幅が広いのでどこをどうやっても親指入力には向いていない。
▼ 日本語配列のキーボード
それでも「日本語配列だとキートップのカナ表記がオシャレじゃない」と思う場合は、カナ刻印のないタイプの日本語配列キーボードを選ぶという手がある。
これなんて、カナ刻印がない上に、アルファベットですら背景と同じ色調でほとんど認識できないという究極のオシャレ仕様だ。
親指シフターさんならブラインドタッチはお手の物だろうから、選択肢のひとつとしてオススメだ。
スペースキー
日本語配列なら何でもいいかと言えば、これまたそうではなくて。
先に少し触れたように「無変換」「変換」キーに楽に親指を置くためには、スペースキーは小さくなくちゃいけない。
上記3シリーズのうち、スペースキーが小さいのは
・東プレのRealforce
の2シリーズ。
Cherry MXスイッチを採用しているMajestouchを選べないのは残念だったが、こればかりはどうしようもない。
もしもどうしても、という場合には、親指入力をあきらめてローマ字入力、あるいはカナ入力に移行するしかない。
その可能性についてはアタシもちらりと考えはしたのだが、頭で考えたことをそのままストレートに文字にできる親指シフトの快適さに慣れてしまうと、もはや他の入力方式には戻れそうになかった。
PFUのHHKB
PFUのHappy Hacking Keyboardは、実は自社製造ではなく、Realforceの製造を手がける東プレからOEM供給を受けている製品だ。キーボードの構造もHHKB、Realforceともに静電容量無接点方式なので、超ざっくり言えば打鍵感はほとんど同じということになる。
もちろん、各社それぞれに工夫をこらしているので、それぞれのシリーズの特徴をじっくりとくらべてみた上で、より好きになれそうなキーボードを選ぶことになる。
特徴
HHKBの特徴は、なんと言ってもコンパクトであること。
簡単に持ち運びができるように、最小限のキーで構成されているので、テンキーがないのはもちろのこと、F1、F2といったファンクションキーもない。
キーボード最下段にある「Fn」キーを押すことで、最上段のキーがファンクションキーの役目をするようになるのだが、たとえばアタシのように、F7キーのカタカナ変換を多用していたりすると、なれるまでに違和感があるかもしれない。
こちらは、日本語配列・カナ無刻印の静音タイプモデル。
静電容量無接点方式のキーボードなので、メカニカルキーボードより打鍵音は小さめ。それでもパンタグラフやメンブレン方式のキーボードになれてしまうと打鍵音が大きく感じられるはずなので、静音タイプはうれしいところ(静音タイプと通常タイプでは打鍵感がやや異なります)。
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東プレのRealforce
銀行の窓口など、業務用キーボードで圧倒的シェアをほこる東プレの一般向けキーボードがRealforceシリーズ。
特徴
キー荷重が45g、30g、変荷重(小指側のキーが軽くなるなど、キーによって重さが違う)の各モデルがあり、自分の好みのキー荷重を選ぶことができる。
どのキータッチを心地良いと感じるかは人それぞれなのだけれども、一般的には親指シフトの場合はキー荷重が軽いほうが打ちやすいと言われているので、アタシの場合は一番軽い30gのものをチョイスした。
HHKBと違い、フルサイズキーボードがラインナップされているので、テンキーをよく使う人はRealforceにしたほうが打ちやすいだろう。
ひとつだけ残念なのは、すべてのキーボードが有線接続であること。Bluetoothなどを使用した無線接続のキーボードは用意されていない。
高速で入力した時には、レスポンスがわずかに遅れる(らしい)無線タイプよりも、有線のほうが確実ということなのだろうが、そこまで早打ちでないアタシにとっては「取り回しの楽な無線タイプがあったらもっと良かったのにな」と思わないでもない。
まぁ「欲を言えば」のレベルの話だけれども。
(^^)
▼ 実際に使っているキーボードがこれ
静音タイプではないのでそれなりに音はするが、以前の薄っぺらいキーボードにくらべると、まあ、打ちやすいこと打ちやすいこと。
なんでもっと早くに買い換えなかったのかと悔やむレベルで快適である。
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まとめ
キーストロークが浅いからといって親指シフトができないということはない。
だけど同時打鍵という性格上、押してるんだか押してないんだかわからないようなキータッチでは無理があったのだろう。今まではつねにどこかしらで誤入力が発生しているような状態だった。
VAIOにしてからさらに誤入力が増えたので、実は「親指ソフトとVAIOの相性が悪くて、内部で上手く処理できてないんじゃないか」とキーボードではなくて、ソフトとPCの相性のほうを疑っていた部分もあった。
でも今ならわかる。
そう、すべてはキーボードのせいだったのだ。
1000円も出せば格安キーボードが買えてしまう時代に、2~3万円もするキーボードを購入するには勇気が必要だったが、今となっては
買って良かった!
のひと言につきる。
(^^)
実物を展示しているお店が少ないのが難点なのだけれども、今の入力環境が「何か違うな」とモヤモヤしている人は、高級キーボードを検討してみることを全力でオススメする。
上手くいけば、文字入力の世界が変わってみえるはずだ。
以上、親指シフト入力に最適なPFUのHappy Hacking Keyboardと東プレのRealforceのご紹介でした。
ではでは。