家の猫が尿結石とやらになってしまった。
ストルバイトと呼ばれる砂のようなものが膀胱から尿道にかけて詰まってしまい、尿がでなくなったのだ。
すぐに動物病院に行き、今はまったくもって元気なのだが、問題はここから。
猫の食事拒否との戦い
ストルバイトは、マグネシウムを取り過ぎると発症する確率があがるらしく、今後は「療法食」と呼ばれる、ストルバイトの猫ちゃん用のキャットフードだけを食べさせなくてはいけなくなってしまった。
病院から2種類の缶詰(ウェットフード)と1種類のドライフードを渡された。
「この中から一番よく食べるものを選んで与えるようにして下さい」
とのこと。
最初のうちは
ウェットは値段が高くて家計へのダメージが大きいから、ドライを食べてくれるといいな。
などと軽く考えていた。
とりあえず、病院の指示通りにウェットとドライを半分ずつ与えてみた。
ほとんど食べない。
(;-_-)
別のウェットフードをあげた。
食べない。
ドライフードだけあげてみる。
口には入れるが、そのままポロポロと床に落としてしまう。
とにかく何をあげても食べなかった。3種類もあればなとかなると思っていたが、ここに来て自分の考えがいかに甘かったかを思い知る。
手で直接あげてみても、ドライをお湯でふやかしてみても、ほとんど食べない。
それでも、さすがにお腹がすくのだろう。
そのまましばらくエサを出しておくと、とりあえず半分くらいは食べる。でも、完食はしてくれない。
困った。
あぁでもない、こうでもないと色々考えているうちに、
ドライフードはとりあえず口には入れるのだから、3種類のうちで一番食べる可能性があるんじゃないか?
と思いいたった。
ドライフードにしぼる
口には入れる。
でも、出してしまう。
なんでだろう?
不機嫌な面持ちで食事をしている猫をじっと観察していたら、猫がドライフードをカリカリと噛んでいないことに気づいた。
もともと肉食動物なので、噛まないで丸のみすることに問題はない(by 獣医)のだが家の猫はいつも美味しいそうにドライフードを噛んでいた。
もしや、ドライフードの噛み心地とか舌触りが嫌で、口から出してしまってるんじゃないのか?
となれば方法はひとつしかない。
砕く!
ドライをビニール袋に数粒入れて、ビニール袋ごしにペンチで(笑)ひと粒ずつ潰しながら砕いてみた。
潰れたドライを手にとって、そのまま猫にあげてみたら。
食べた!しかも美味しそうにぺろりと食べた。
口にいれたフードを床に吐き出す気配もまったくない。
やはり、フードの形状が気に入らなかったらしい。
粉は嫌なのね(涙)
フードを砕けば食べてくれることがわかったので、その日の夕食にさっそく潰したドライフードを出すことにした。
試しに潰した時は数粒だから簡単だったが、1食分のドライフードとなるとそれなりの量になる。とにかくビニール袋ごしにガシガシとペンチで潰した。
エサ入れにいれて「さぁ、どうぞ♪」と差し出した。
うふふ、食べてるよね。そりゃあそうだよね、一生懸命潰したからね。
なんて思っていると。
コトン……。
何やら嫌な音が響いた。
見てみると、床にフードが転がっている。ペンチでつぶしそこねて原型そのままの丸々としたフードだ。
あなたの口の中ってどれだけ敏感なの?!
でも、つぶせば食べることはわかったのだから、今度はもっと念入りに細かくすればいい。
そう思っていたら、さらに問題発生。
潰しすぎて粉のようになってしまったフードもネコ様のお気に召さないのだ。エサ入れに粉状のフードが残っている。
潰れていなくてもダメ、潰れすぎて粉になってもダメ。
あ、アタシはネコに試されているのか?
とでも考えたくなるような試練である。
ハサミでフードを切る
粉にしないでフードを確実に砕くには、もう切るしか方法はなさそうだった。
切ると言えば、
・カッター
・包丁
・ハサミ
ハサミが一番安全そうだったので、これで行くことにした。
普通のハサミではこころもとなかったので、刃先に細かなギザギザがついたキッチンバサミを使うことにした。
調理に使っているキッチンばさみを猫用にしてしまったら、新しくキッチンバサミを買いなおさないといけないが、そんなことを言っている場合ではなかった。
フードをハサミではさんで、パッツン。
はさんでパッツン、はさんでパッツン、はさんで…………。
1食あたり30g分のフードを1粒ずつ切って行く。
30分以上かかる(!)地道な作業だったが、効果はてきめんだった。あれほど毎回食事を残していたネコが、久々に完食したのだ。
(^^)
仕方がない、頑張るか。
というわけで、はさんでパッツンの作業を4~5日続けた頃だったろうか。
腕に痛みが走るようになってきた。
な、なんかまずい状況になってないか?
さすがに焦った。
たとえばこれが、猫のコンディションが落ち着くまでの1週間限定の作業だったなら、きっと頑張れた。腕の痛みが強い時には、家族に変わってもらうこともできたろう。
だけどこれから先もずっとずっとこの状況に変わりはない。
だとしたら、どう考えてみてもハサミを使い続けるのは現実的ではなかった。
キャットフードを砕く方法
何かいい方法はないものかと、ここに至って初めてネットで検索をしてみた。
そしたら。
キャットフードやドッグフードを砕きたいと考えている人が一定数いることがわかった。
ただ、大抵の場合はネコちゃん(やワンちゃん)がまだ小さくて大きなエサが噛めないとか、高齢で噛む力で弱くなったので、粉にしたいとか、そういった要望だった。
細かく砕く
ってことなら、方法はいくつかあるようだった。
・ミキサーで砕く
・すり鉢でする
・袋に入れて棒やハンマーなどで叩く
あたりが一般的に試されていたが、この方法だと粉が多く出てしまうため、わが家で利用するには無理があるように見えた。
となると……。
手動で砕くチョッパーしかない、のか。
電動のミキサーと原理は似たようなものだが、手動なので砕き具合の調整が簡単にできそうだった。値段もそんなに高くない。
ただ。
ハサミを使った時のように、キャットフードを均等に半分に切ることはできない。砕けているフードと、原型のままの真ん丸フードが混じるざっくりとした砕き方になってしまうことは間違いない。
粉も嫌だし、原型のままのフードも嫌いなわが家の猫ちゃんが、果たして食べてくれるのか。
どちらかと言えば、悪い予感のほうが大きかったが、ハサミを使うことを封じられた今、チョッパー以外の解決策を思いつくことができなかった。
ここは猫ちゃんに我慢してもらうしかあるまい。
プレカットチョッパーを購入
というわけで、購入したのがこちら。
1000円ちょっとのお手頃価格がうれしいみじん切り器だ。
500mlのペットボトルをひと回り小さくして、上下にぎゅっと圧縮した感じ(どんな感じだ?)の大きさだ。
バラバラに分解することができる。
左から順に、受け皿、本体カバー、本体、ブレード保護カバーになっている。
Amazon.co.jpレビューにも書かれていたが、受け皿がかなり小さいので、1回でカットできるのはほんの少量。
ショウガ2かけくらいが適量なんじゃないかと思う(試してないけど)。
大量に何かを切り刻みたい時には小さすぎるかもしれないが、作り自体はかなりしっかりとしている。値段が安かったのでもっと安っぽいかと覚悟していたのだが、これに関してはうれしい誤算だった。
普段はブレードカバーの中に刃が引っ込んでいるが。
上にある黒い出っ張りを手のひらで押すと、刃がニュッと出て来る仕組み。
使い終わったらブレードカバーを外して本体を洗うのだが、ご覧の通り刃がジグザクに取り付けられているので、かなり洗いにくい。
どうしたものか、と考えて、洗うのをやめた(笑)
ドライのキャットフードにしか使わないので、1週間に1回程度のお手入れでも大丈夫なんじゃないかと思っているのだが、この辺は使用期間が短いのでまだ未知数。
もっと行ける!と思ったら1ヶ月に1回にしちゃうかもしれないし、ダメだ!と思ったら1日おきくらい洗うかもしれない。
実際に砕いてみる
というわけで、猫のドライフード用に購入したプレカットチョッパーで、実際にフードを砕いてみる。
受け皿にフードを適量いれる。これで約半分。
ガシガシガシとてっぺんを10回押してふたをあけると。
この程度に砕かれている。
まだまだ原型のままの粒が多いので、あと5回ほどカットをガシガシとやる。
だいぶ細かくなった。
原型をとどめたままのフードもあるが、これ以上やると今度は粉が増えてしまうので、ここでやめておく。
実食♪
お猫さまにとっては、ベストではないけどベターだったようで、9割程度は食べてくれるようになった(ホッ)。
まとめ
30分かけてフードをカットして、腱鞘炎になりかけたことを思えば、ガシガシガシと15回押してやるだけでそれなりに砕かれたフードができるのはとてもありがたい。
あとは切れ味がどの程度持つのかが心配なのだが、ナッツ類も砕けることになっているので、それなりの耐久性はあるんじゃないかと期待している。
もしも同じような悩みを抱えている方がいたら、とりあえずの選択肢としてプレカットチョッパーを選んでみるのも悪くないと思う……、というかかなりオススメの商品です。
以上、「プレカットチョッパー」でキャットフードを砕いてみたお話しでした。
ではでは。