(出典:関孫六公式サイト)
良い包丁を買おう。
そう思ってネットで調べたり、実際に店に行ったりした時に、必ずといっていいほど目にするのが「関孫六」。
家の近くのイオンの包丁売場では、ガラスケースの一番目立つ位置にきらびやかに並べられている。もちろんイトーヨーカドーにも関孫六があるのは想定内だが、なんとヤマダ電機にすら関孫六(の爪切り)が並んでいるのを見た時には、なんだかわからないけれど、ちょっと引いた(笑)
これほどに広く行き渡っている「関孫六」とはいったい何モノぞ?
ということで、関孫六ブランドの包丁の特徴と人気のシリーズを以下にご紹介♪
関孫六とは
「関の孫六(せきのまごろく)」とは室町後期に活躍した美濃の刀工のこと。
初代の兼元(かねもと)に次ぐ二代目にして、刀工としての才能にあふれた人物といわれている。またの名を孫六兼元(孫六兼元)と言う。
孫六は兼元の屋号(会社の名前みたいなもの)で、いわゆる俗称。
続く三代目が江戸時代になって関(美濃)に移り住んだことから、三代目ではなく、なぜか二代目が「関の孫六」と呼ばれるようになった。
二代目と三代目がごっちゃになってのことらしいのだが、そりゃあ
「初代兼元」
「二代目兼元」
「三代目兼元」
と似たような名前が続いていたら、誰が誰やらこんがらがってしまうのも無理はない。
その後も兼元の名は脈々と受け継がれ、現在はなんと27代目!
27代目兼元・金子孫六さんが貝印の包丁ブランド「関孫六」の銘を刻んでいるというわけ。
包丁「関孫六」の各シリーズとその特徴
包丁に銘が入っているとそれだけで
「お高いんでしょ」
と思いがちだが、関孫六には高いものから安いものまでいろいろなシリーズが出ている。
「包丁欲しいな」くらいの軽い気持ちでお店に行くと、そのラインナップの多さが災いして「な、何を選んだらいいのかさっぱりわからない……」状態におちいる確率、かなり高し。
というわけで、関孫六シリーズごとの違いをわかる範囲でざっくりまとめてみた。
情報はすべて家庭用としてもっとも一般的な三徳包丁のものを使用。実売価格は調べた時点のものなので変動の可能性あり。実際に購入される場合は、Amazon.co.jpや公式サイトなどで実売価格の確認よろしくです。
ステンレス単層材
基本的には刀身が1枚のステンレス板でできているもの。ステンレスなので錆びに強く扱いが楽。
15000ST
ステンレス単層材としては最上位種。特殊精密接合(ろう付け)で包丁の背側と刃側に波紋のコントラスト模様が描かれている。
【刃身】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【重さ】173g
【価格】16200円
【実売】9700円
10000ST
洗いやすくて衛生的なオールステンレス製。
【刃身】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【重さ】146g
【価格】10800円
【実売価格】6200円
【その他】食器洗浄機対応
くじゃく
【刃身】ハイカーボンモリブデンステンレス刃物鋼(10A材)
【重さ】170g
【価格】9180円
【実売価格】7700円
べにふじ
【刃身】ハイカーボンモリブデンステンレス刃物鋼(8A材)
【重さ】172g
【価格】5940円
【実売価格】4900円
匠創
洗いやすくて衛生的なオールステンレス製。
【刃身】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【重さ】134g
【価格】4860円
【実売価格】3800円
【その他】食器洗浄機対応
いまよう
【刃身】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【重さ】162g
【価格】4752円
【価格】4400円
ほのか
【刃身】モリブデンバナジウムステンレス刃物鋼
【重さ】138g
【価格】3564円
【実売価格】2400円
【その他】食器洗浄機対応
わかたけ
【刃身】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【重さ】105g
【価格】2376円
【実売価格】1400円
【その他】食器洗浄機対応
ステンレス複合材
硬いステンレス刃物鋼をそれよりも柔らかいステンレスで挟み込んで「ステンレス三層鋼」にしたもの。錆びにくく研ぎやすい。
ダマスカス
関孫六の最上位シリーズ。刃体表面のダマスカス模様が最大の特徴。
【刃材】特殊ステンレス刃物鋼(V金10号)
【側金】ステンレススチール
【重さ】158g
【価格】12960円
【実売価格】6800円
10000CL
洋包丁には珍しいナチュラルの色合いの木製ハンドル。
【刃材】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】160g
【価格】10800円
【実売価格】7500円
木蓮
【刃材】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】170g
【価格】9180円
【実売価格】7000円
青藤
【刃材】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】162g
【価格】7020円
【実売価格】4700円
茜
【刃材】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】138g
【価格】4752円
【実売価格】3200円
【その他】食器洗浄機対応
萌黄
【刃材】ハイカーボンステンレス刃物鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】120g
【価格】3564円
【実売価格】2200円
【その他】食器洗浄機対応
ハガネ複合材
切れ味が良いことで定評のある特殊炭素鋼を芯材にし、それをステンレスでくるんだ「ハガネ三層鋼」。刃材の部分がやや錆びやすいが、切れ味が良く研ぎやすい。
10000CC
【刃材】特殊炭素鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】168g
【価格】10800円
【実売価格】9700円
桃山
【刃材】炭素鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】172g
【価格】5940円
【実売価格】4400円
安土
【刃材】炭素鋼
【側金】ステンレススチール
【重さ】123g
【価格】3780円
【実売価格】不明
ポイント・まとめ
【食洗機対応】
食洗機を使っている人も多いと思うが、食洗機に対応しているのはオールステンレス製のものと、ハンドル部分が樹脂製のもの。
具体的には
・10000ST(オールステンレス)
・匠創(オールステンレス)
・ほのか(ハンドル樹脂性)
・わかたけ(ハンドル樹脂性)
・茜(ハンドル樹脂性)
・萌黄(ハンドル樹脂性)
の6シリーズ。
また公式サイトには記載がないのだけれども、同じくハンドルが樹脂になっている「安土」も食洗機に対応しているんじゃないかと思う(未確認)。
樹脂製ハンドルは木製のものよりも原価が安いらしく、価格も安いものが多い。
関孫六の人気ランキング
関孫六は本当に種類が多くって。
こうやって書いていても、ちょっと油断をするとどれがどれだかわからなくなって来てしまうので、てっとり早くわかるランキングで世間の評価をご紹介。
雑誌「LDK」
商品を実際に試した上でランク付けをする雑誌「LDK」の包丁部門で栄えある1位を獲得したのが関孫六の「ダマスカス 三徳包丁」。
< 性質の違うステンレスが32層に折り重なってうまれた地層のような美しいダマスカス模様が最大の特徴。 ダマスカスの包丁はステンレス複合材構造になっているので、ダマスカス模様そのものが切れ味に関係しているわけではないのだけれども、この模様に恥じないよう(?)刃材にV金10号という硬くて切れ味のよいとっておきのステンレス刃物鋼が使われている。 このため切れ味が良く、その切れ味が長続きする。雑誌「LDK」絶賛の1本だ。 ちなみに、 2位:グローバル 三徳
となっている。
貝印によるランキング
イオンの包丁売場にメーカーの貝印が作製したPOPのようなものが置かれていた。そこに書かれていた「人気ランキング」の文字。それによると。
【1位:茜 三徳】
「ステンレス三層鋼」の茜 三徳がはえある1位を獲得。お手頃価格で食洗機対応な点が支持を集めたものと思われる。
また、これぞ包丁! と言わんばかりのド定番なデザインは、初めて包丁を買おうと思う人が気軽に手をのばせる形であるのかもしれない。
【2位:ダマスカス 三徳】
雑誌「LDK」での1位獲得に続き、こちらでもランクイン。
関孫六の最上位シリーズという位置づけなのだけれども、Amazon.co.jpでの値引き率が高いので、思いのほか手の届きやすい価格になっている。
【3位:匠創 三徳】
アタシの大好きなオールステンレスからは 匠創 三徳がすべり込み。
旧モデルではハンドル部分が弓なりになっていてあまり格好良く見えなかったのだけれども、2017年に登場した新モデルではハンドルデザインが変更になって、ずいぶんとすっきりした印象になった。
あとがき
以上、関孫六の包丁シリーズの特徴と人気ランキングを紹介しましたっ!
ここで紹介したほかにも、関孫六には和包丁のシリーズもあるので興味のある方はチェックしてみてね。
ではでは。
