包丁って、なんでこんなにたくさんの種類があるんだろう。
そう思ったことはないだろうか。アタシは、ある。
あまりに種類が多すぎて、どれを選んだらいいのかわからなくなってしまうのだ。最終的には
このくらいの値段なら切れるかな
って、わかるようなわからないような理論が頭をかすめ、数千円のシロモノをレジへと持って行きそうになって……すんでのところで思い止まる。
上手くいけば5年、いや10年は使えるかもしれない包丁をこんなにもいい加減に選んでしまっていいはずがない。
というわけで、「面倒くさくないもの。あとあと自分が楽できるもの」を基準に包丁の選び方とおすすめの包丁を以下に紹介してみる。
包丁の種類
包丁には大きくわけて和包丁と洋包丁の2種類がある。このほかにも用途に応じて特殊な包丁があるのだけれども、家庭用としてまずこの2種類。
基本、和包丁は片刃でその代表は出刃包丁、洋包丁は諸刃で牛刀や三徳包丁などが有名。そのほかにも違いはあるのだけれども、説明しているとズブズブと深みにはまってしまうので、
「ふ~ん、2種類あるんだ」
くらいの理解で良いかと。
スーパーに行っても、わざわざ「洋包丁コーナー」と「和包丁コーナー」にわけてるところなんてあまりないでしょ。一般人にとっては、たぶんそのくらいの違いなんだと思うよ。
で、その一般人が使う包丁としてオススメなのが
三徳包丁。
三徳包丁は、日本の家庭では一番メジャーな万能包丁。別名「文化包丁」とも言うのだけど、こちらの名前はややダサい。
「三徳」の由来は肉、魚、野菜をそれぞれ切ることができるから。
海外から入ってきた牛刀と日本の菜切り包丁のいいとこ取りをしてできたという由緒正しき(?)包丁なのだから、そりゃあ日本の家庭ではシェアNo.1なのもうなづける。
特別なこだわりがない限り、家庭で普通に料理を作るなら三徳包丁が最適!という前提でさらに話をすすめる。
材質
包丁に使われる材質は大きくわけて次の3つ。
- 鋼(はがね)
- セラミック
- ステンレス
鋼(はがね)
鉄に炭素をくわえた合金で、炭素鋼とも呼ばれるもの。
最大の特徴は何といっても抜群の切れ味なのだけれども、その切れ味を維持するためには定期的に包丁を研ぐことが大切。
また、すぐに錆びが浮いてしまうので、使い終えたらササッと布巾などで水気を取ってあげないと残念な見た目になってしまう。
プロの両人の方などは、毎日のように包丁を研いで、切れ味をキープさせつつ、錆びを防いだりしているらしい。
だけど、研ぐのにはある程度の技術が必要だし、時間もかかるので、一般人が鋼の包丁を使いこなすにはそれなりの覚悟が必要ってことになりそうだ。
セラミック
セラミックは金属ではなくて陶器の一種。
最大の特徴は切れ味が長持ちすること。鋼の包丁と違って小まめに研がなくても、すぐに切れ味が落ちるなんてことはない。セラミックそのものが鋼より硬いから、毎日使っていても刃先のすり減る速度が遅いのだ。
金属じゃないから錆びることもない。布でササッ、なんてしなくても自然乾燥ぜんせんオッケー。
セラミック特有の白い色も、スタイリッシュに見えないこともない。
と、なんだか良いことだらけに聞こえるセラミックなのだが、もちろん弱点もある。鋼よりも硬いセラミックは弾性か低くて、刃先が欠けやすい(刃こぼれしやすい)のだ。
硬いんだから頑張れよ、と思うのだが硬い分粘りが減って、融通がきかなくなっているってことらしい。で、ひとたび欠けてしまうとその硬さが災いして、普通の砥石で研ぐことができない。
ダイヤモンドシャープナーとか、ダイヤモンド砥石と名の付くものならいけるらしいのだが、どちらにしても刃が欠けてしまったものを元の状態に研ぎ直せる素人なんてそうそういないよね。
最終手段として、メーカーに送って研ぎ直ししてもらうことはできるけど、時間がかかる上にもちろん有償。
さらには包丁自体が軽いので物によっては切りづらい、なんてこともあるらしい。
というわけで。
「普段ほとんど料理はしないけれど、とりあえず包丁の1本くらいないといざという時に不便」ってくらいの、消極的チョイスにセラミックはオススメだけれども、それ以外の場合は……。
ステンレス
料理はほぼ毎日作るよ、って人にあたしが全力でオススメするのはずばりステンレスの包丁。
ステンレスは鉄にクロムを混ぜた合金で、このクロムちゃんの働きで鋼にくらべて断然錆びにくくなっている。
硬さと粘り強さの両方を持っているので、刃こぼれしにくく、切れ味も長持ちするから研ぎの回数も少なくて大丈夫。
包丁にこだわりと愛情を持っている人は、やっぱり切れ味が鋼には劣るよね、ってことでステンレスを避けることもあるみたいだけど、一般家庭向けにお手入れ楽ちん商品を探しているなら、ステンレスで十分。
というか、あたしはもはや
ステンレス以外の包丁なんて考えられないよ。
ってくらいのステンレスファンだ。
ステンレスとひと口にいっても、そこから更にモリブデンパナジウム鋼だとか、銀紙三号だとか、V金10号だとか、メーカーが創意工夫をこらした素材がいろいろあって、それぞれに特徴がある。
もうこの辺になって来るとキリがないので、ここから先は興味がある人は自分で調べてね、ってことで、次にうつる。
洗いやすくて清潔な一体型
包丁といえば、刃の部分が金属でハンドル(柄)の部分が木製のものが一般的だが、アタシが全力でもってオススメするのは、刃とハンドルが一体になったもの。
汚れがたまらずに洗いやすい上に、一体になっているから食器洗い洗浄機で洗えるものが多い。
使用後さっと布巾で拭くだけで、オールオッケー、すっからかんに乾いてくれる。
これが木製のハンドルだとそうはいかない。いくら布巾で拭いてもしばらくの間はじっとりと湿り気を帯びていて、潔癖症でないこのアタシですら、すぐにシンク下扉の包丁入れにしまうには、少しばかり抵抗を感じる。
ささっと拭いて、さっとしまえる。オールステンレスの何と楽ちんなことよ♪
ずはりおすすめはコレ!
以上のことを踏まえた上でのアタシのおすすめは。
Zwilling ツインフィン マルチパーパスナイフ 30847-180
アタシの愛用の包丁がこれ。もう10年以上使っている。
ドイツのツヴィリング J.A. ヘンケルス社の包丁で、とにかくデザインにひと目ぼれ。ややお高めかと思うのだけれども、毎日使うものだから、見ための美しさも(アタシ的には)大切。
デパートで定価で買っちゃうと「高っ!」となるので、Amazon.co.jpなどの通販を利用することをオススメ。
下村工業 ヴェルダン 三徳庖丁
家族が一人暮らしをする時に、買ったのがこの包丁。
切れるか切れないか、と言われれば残念ながらそれほど切れるわけではないのだけれども、
三徳、ステンレス製、一体型
の三条件を満たすお手頃価格の包丁ってことでは、イチオシの商品。実際、Amazon.co.jpでも三徳包丁のカテゴリで1位(2017年6月4日現在)になっている。
グローバル 三徳
少し前までは、ステンレスの包丁といえばグローバルってくらいの知名度をほこっていた日本のメーカー。
圧倒的な切れ味というよりは、切れ味が落ちにくいことのほうにメリットのある包丁。なので、研ぐ回数は他の包丁より少なめでも大丈夫……なはず。
藤次郎 プロ DPコバルト合金鋼割込
プロの料理人にも人気の藤次郎ブランドの包丁。
中でも「藤次郎 プロ DPコバルト合金鋼割込」は、すぐれた切れ味と美しい見た目にもかかわらず6000円程度で購入できるのが素晴らしい♪
今使っているツヴィリングの包丁から卒業するとしたら、次はこれかな、と密かに思っている包丁がこれ。
まとめ
高ければ高いほど、いい包丁。
そう簡単に結論づけられないのが包丁の悩ましいところ。
それでも毎日のように使う包丁だから、適当に買うんじゃなくて、こだわり抜いた上でのお気に入りの1本を選びたいところ。
アタシ的にはステンレスの一体型で決まりなんだけど、皆様的にはどのタイプが気になりましたでしょうか。
末永く使える1本に出逢えるといいですね。
(^.^)